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金はどこまで上がるのだろう、不安な事実

金はどこまで上がるのだろう、不安な事実

金(ゴールド)の円建て価格が高値を更新しています。新型コロナウイルス感染拡大の影響で、2020年3月の他のアセットと同様大暴落しましたが、金はいち早く回復し、円建て価格では6月末ついに最高値を更新し、7月になってもさらに更新しています。少々不安なこの動きについて考えてみたいと思います。

最近の市場の動き

最近の市場の動きを日経平均と金ETFのチャートで見てみます。

日経平均と金ETFのチャート

日経平均、2年間、週足チャート

図1.日経平均(2年間の週足チャート)

SPDRゴールドシェア、2年間、週足チャート

図2.金ETF SPDRゴールドシェア(2年間の週足チャート)

図1は、日経平均の2年間の週足チャートですが、2020年3月の大暴落から戻り基調とはいえ、22,000円前後で足踏みの状態で神経質な動きになっています。

一方、図2は、金の現物価格に連動する金ETF(上場投資信託)ですが、2020年3月の大暴落から回復後、順調に上昇を続けています。

我が家の投資信託の成績

次の表は、我が家で行っている積立投資信託のアセット毎の原本に対する増減率です。期間が3年間と短いのですが、それでも最近の傾向を反映しています。

積立投資信託の3年間の増減率

表1.積立投資信託の増減率(3年間)

これを見ると債券が意外に健闘しているのと、米国株復調に伴い先進国株式が良い値になっています。しかし、それよりも良い数値が金です。積立で3年間で3割上昇というのは、気味が悪いぐらいに良い成績です。

金の価格の決まり方と傾向

金の価格は、ロンドンの現物取引価格を基に1トロイオンスのドル建て値で決まります(先物ニューヨーク市場)。このため、日本円での金価格はドルを円貨に替えますので為替の影響を受ける事になります。

1トロイオンスは約31gですので、円建て価格は次のようになります。

金円建て価格(円/g)
=金ドル建て価格(ドル/トロイオンス)÷31(g/トロイオンス)×ドル円為替レート

また、金には一般的に次のような傾向があります。

  • 米国株式が好調(上昇)だと金価格(ドル建て)は下がる。
  • 米国株式が不調(下降)だと金価格(ドル建て)は上がる。つまり、現物の金に資金が逃げる。
  • 円高(ドル安)になると円建て金価格は下がる。
  • 円安(ドル高)になると円建て金価格は上がる。つまり、ドル円為替レートの影響を受けるので。

高値更新の理由

従来の円建ての価格はドル円の為替レートの影響で、金がドル建てで上昇していても円価格ではほとんど価格が動かずに面白みの無いものでした(半面安定しているとも言えますが)。しかし、現在は、ドル建てでも、円建てでも上昇しています。

また、ドル建て金価格と米国株式は、比較的逆の動きをしていましたが、現在の傾向は共に上昇トレンドです。

少々気味の悪い動きですが、単純に考えると次のようになりそうです。

  • 海外の方は、ドル建てで金を購入している。
  • 日本の方は(日本の方が)、持っている円貨で日本市場の金を購入している。

当たり前ではないかと思うでしょうが、海外の方がドルを円貨に替えて日本で金を購入しているのでは無く(従来はその影響が強かったのですが)、日本の方が自分でもっている円貨で日本市場の金を購入しているのです。

つまり、日本の方も海外の方も何か不安なため、それぞれの資金で金を世界的に購入しているという事です。

有事の金といいますし、有事のドルといいます。世界的に金が上昇しているのも米国株式市場がそこそこ好調なのも、資金が金や米国市場に流れているということになります。

さいごに

みなさんも私を含めて不安なのでしょうね。新型コロナウイルスの影響で、生活や仕事の有り方が急激かつ劇的に変化しています。また、日本周辺でも世界的にもきな臭い話題に尽きません。

とは言えお金の面で小市民にできることは、なるべく資産を安全に保有することぐらいですので、分散(種類、時間、地域)に心掛けておき、なるべくダメージを抑えるぐらいです。

早く、すっきりとしたいものですね。