2020年7月31日付でZホールディングとZフィナンシャルが傘下・出資の金融会社をPayPayブランドに統一すると発表しました。これにより例えば、Yahoo! JAPANカードがPayPayカードの名称になります。これからのネット金融関係で少し気を付けておかなければならない事を考えてみました。
PayPayの出資会社
大胆なポイント還元策のキャンペーンで急速にキャッシュレス決済のユーザを獲得しているPayPayですが、出資会社(出資比率)を見ると、ソフトバンクグループ(50%)、ソフトバンク(25%)、Zホールディング等のヤフー(25%)です。
この顔ぶれを見ると、あの大胆なキャンペーンもなんとなく腑に落ちます。
PayPayブランドへの統一
次の表は、2020年7月31日付でプレスリリースされた現状とPayPayブランド統一後の対応です。
2020年秋以降、株主及び所管官庁の許認可等が下り次第、順次移行されていきます。
ブランド統一前の会社・サービスの概要
上記表のブランド統一前(現状)の会社・サービスを簡単に説明します。
YAHOO!JAPANカード(クレジットカード)
一般的にヤフーカードとして活用されています。既にPayPayやTポイントとの連携が可能です。私も保有しており、ヤフーショッピングやキャッシュレス決済に利用させていただいています。
ジャパンネット銀行(ネット銀行)
私も以前は勘違いしていたのですが、TV通販のジャパネットとは関係がありません。主な出資者は、Zホールディングス(前身のヤフーの金融部門)と三井住友銀行系金融機関です。
One Tap BUY(ネット証券)
特にスマホに特化したネット証券です。日本株式はもちろんとして、米国株式も簡単なスマホ操作で売買できます。
YAHOO!JAPAN保険(ネット保険)
損害保険、生命保険等を扱っているヤフーの保険サービスです。比較的保険を自由に設計できるところに特長があります。
YJFX!(ネットFX)
ヤフーグループ(Zホールディングスグループ)が提供するネットのFX取引です。業界最低水準の米ドル円スプレッド0.2銭(1ドル当りの売値と買値の差額)、通貨ペア25種類があります。PayPayポイントとの連携もできています。
Yjam(ネット証券:投資信託)
Zホールディングスグループ(ヤフー)が保有しているビッグデータとAIにより分析・運用する投資信託2商品(成長重視型のYjamプラス!と安定志向型のYjamライト!)を扱っています。
これからの留意点
今回の関係する会社を見ると、ソフトバンクグループ(Zホールディングス・ヤフーはソフトバンクグループの一員)、三井住友フィナンシャルグループです。
もう一つ気になる役者が、ネット証券最大手のSBI証券を傘下に持つ、SBIホールディングスです。
SBIホールデングスとZホールディングは、2019年10月に金融事業で包括提携すると発表しています。また、SBIホールデングス傘下に住信SBIネット銀行があり、株主構成比率は、三井住友信託銀行50%、SBIホールディングス50%です。
SBIホールディングスは、今はソフトバンクと資本関係はありませんが、代表者は元ソフトバンクの財務担当役員だった方です。そして、SBIホールディング傘下に保険、FX、スマホ用証券などもあり、独自の商業圏を形成しつつあります。
別の気になる点としては、YAHOO!JAPANカードと連携しているTポイントがどうなるかです。
つまり、庶民として今後の展開で気になる点は、次の2点です。
- ヤフー(ソフトバンクといっても良いかも)商業圏とSBIホールディング商業圏の棲み分けがどうなるのか。統合されるのか、別に存在することになるのか、名称だけ変わるのか等々。
- YAHOO!JAPANカードと連携しているTポイントと処遇はどうなるのか。今でもPayPayと併存していますので、そのままの可能性大だと思いますが。
さいごに
Zホールディング(ヤフー)のサービスは、YAHOO!JAPANカード以外、それほど認知度は高くありませんでしたが、PayPayブランドを付ける事により、一機に改善しそうです。大胆なキャンペーンを張ってPayPayブランドを立ち上げた甲斐があったということです。最初から想定していたことなのでしょうか。
意外と我々庶民のキャッシュレス決済サービスや資産運用に関係が深いところの動きですので、気を付けてこれからも見ていきたいと思います。楽天の動きも気になります。
しかし、うまいものですね。火付け役は誰なのでしょうか。。。