iDeCoは、所得控除や分配金等の非課税があり、20年間でみると複利効果と合わせて200万円以上増える事も可能性大です。個人の財産形成には力強い味方ですので、事例でその効果を説明します。また、令和2年度税制改正の関連する部分についても説明します。
iDeCoと関連する令和2年度税制改正
iDeCo(個人型確定拠出年金)では、積立投資信託等を自分の判断で運用しなければなりませんが、この掛金が全額所得控除されますので、その分課税所得が減り、所得税と翌年の住民税が軽減されます。また、その間の分配金等も非課税です。
令和2年度税制改正では、iDeCoの加入可能年齢が、これまでの60歳未満から65歳未満の方までに引き上げられました。また、拠出年金の受給開始時期も 60歳から75歳の間で選択できるようになりました 。
ただし、iDeCoのデメリットは、積み立てたお金が受給開始前には下ろせないことです。
iDeCoの非課税効果
iDeCoは、所得税や地方税が課税される前に所得控除されますので、非課税額が大きくなります。
この表は、課税される所得金額に応じた所得税率と地方税率の早見表です(所得区分間を調整する控除額は主旨と関係が無いので省略)。所得税率には復興特別所得税2.1%が含まれています。
地方税は、所得割として一般的な10%を記載しています(これも主旨と関係のない均等割は省略)。
計は、地方税率と地方税率の合計数値です。iDeCoを活用した場合、投資した分この課税が0になりますので効果絶大です。
非課税効果の20年後の年金原資の試算
次の仮定で、まずどの程度の非課税の効果があるのかを見てみます。
- 所得金額:300万円
- 投資金額(2万円×12月):24万円
- 投資効率(分配金2%) :4,800円
- 運用期間:20年間
20年間の非課税効果
所得控除の効果
所得金額が300万円ですので、課税率は20.210%です。積立金額の課税分が非課税になります。
24万円×20.210%=48,504円⇒非課税
投資効率分の効果
積立投資信託の分配金の源泉徴収分20.315%が非課税になります。
4,800円×20.315%=975円⇒非課税
運用期間を通して
上記の20年間のトータルが非課税分です。
(48,504円+975円)×20年=989,580円⇒非課税
非課税の効果で、20年間で989,580円分の税金が免れたことになります。
20年後の年金原資
一方、積み立てた原資はどうなのでしょうか。次の表は、元本480万円に対する年利率毎の20年後の保有資金(これが年金原資になります)です(半年複利で計算)。
積立元本480万円(年間24万円×20年間)に対して利率2%(分配金)の複利計算で590万円となり、元本を差し引くと利息が110万円付いたことになります。
先ほどの非課税分989,580円と合わせると約200万円増えた計算になります。
机上の計算ですが、なかなか楽しいものですね。
さいごに
iDeCoはすごいですね。引き出し可能なのは60歳以降ですが、途中の引き出しができないところで必然的に長期運用になり、複利効果も享受できるということです。
iDeCoは投資できる上限がありますので、無理のない範囲でなるべくiDeCoへ投入し、残りをNISAで考えるのかなと思います。あくまで無理のない範囲ですね。