日本郵政と楽天の資本・業務提携のプレスリリースが3月12日にありました。これを受けて両者の株価は急伸しました。日本郵政の日本郵便はアマゾンのFBAパートナーキャリアとなっており、日米ネット通販大手と関わりを持つことになりましたので、これからの動きに注目したいと思います。
日本郵政と楽天の資本・業務提携の概要
目的は、物流、モバイル、DX等の連携強化です。これにより、日本郵政の全国に網羅された郵便局・物流ネットワークと楽天の70以上のサービスから成る楽天経済圏・楽天会員が結ばれる事が期待できます。
日本郵政にとっては、DX(デジタルトランスフォーメーション)の推進に係る先進的な人材の受入・獲得ができ、楽天にとっては、郵便局内での楽天モバイル等の拡販などが実現されることになります。また、次のFBAでも説明する楽天版のFBA(RFC:楽天フルフィルメントセンター)でも協力する事が記載されています。
プレスリリースの内容は次をご覧ください。
Amazonと日本郵便
実は日本郵政グループの日本郵便はFBAの公式パートナーキャリアです。
FBAとは
FBAは「Fulfillment(フルフィルメント) By Amazon」の略で、Amazonの出店者がFBAの倉庫に納品まで行うと、その後の、商品保管、注文処理、梱包、出荷、配送、お問い合わせ、返品対応等を全てAmazonが代行してくれるサービスです。
FBAパートナーキャリアとは
そして、出店者の商品をこのFBA倉庫に運んでくれるAmazon公式配送者がFBAパートナーキャリアであり、今は日本郵便になっています。
FBAパートナーキャリアのメリットは、ネットからのFBA申し込み時に少し処理が簡単になる、手数料が後から売上と相殺される等があります。ただし、2018年まであった割引がなくなってからは、他の宅配業者から送った方が安くなる場合があります。
とはいえ、FBAパートナーキャリアとなっている事の安心感は少なからずアドバンデージがあります。
FBAなどが記載されているAmazon出品サービスについては次の公式サイトをご覧ください。
また、先に記載しましたが、楽天でも同様の「RFC:楽天フルフィルメントセンター」があり、日本郵便が同センターに係ることになります。
RFCなどが記載されている楽天の物流サービスついては次の公式サイトをご覧ください。
最近の株価等の状況
日本郵政の最近の株価動向を見てみたいと思います。
次の図は、日本郵政の最近2年間の株価チャートです。
不祥事後に下落傾向が続きましたが、最近の市場好調に支えられて徐々に上昇傾向になってきました。
そして、3月12日のプレスリリース後は、前日比47.8円(4.89%)の急伸で、当日終値1,025.5円/株です。
主な指標は次のとおりです(YahooJapan!ファイナンスから)。
- PER(会社予想):12.20倍
- PBR(実績):0.30倍
- 1株配当(会社予想):50円
- 配当利回り(会社予想):4.88%
これから考える事
指標は魅力的な数値になっています。特に配当利回り4.88%はこれから年金生活が始まる事を考えると良い数値です。
また、郵政改革がありましたが政府が保有している日本郵政株は、財務大臣63.29%(2020年9月30日現在)と依然として高率です。財政の厳しい国としては、高配当や株価上昇(放出に備えて)は大歓迎でしょうから、不祥事で明るみになった風土が是正されると高位で安定する銘柄だと思います。
結論から言えば、少し買ってみようかな、、、です。ただし、市場全体が高所恐怖症のような感じですので、本当に少しですね。
さいごに
郵便局は、日本全国にあまねく在り、地域に密着していますので、日本の重要なインフラの一つになっています。それにも関わらず、不祥事があった時は、その内容が信じがたいものがありましたね。
早く改善が終了し、地域密着かつ日本を代表する企業として世界に打って出ていただきたいと期待しています。