白ノ葉のライフプランニング

定年前後のライフプランニングと終活について思いを綴ります

親の証券口座は大丈夫?凍結されないための家族信託サービスの活用

Family trust
認知症になると銀行口座だけではなく、証券口座も凍結されます。そうなるとその口座で保有する株式等の取引ができなくなりますので、介護費用を工面できなくなる恐れがあります。楽天証券に、この対策の一つとなる家族信託サービスがありましたので、その概要を説明します。

認知症になると口座が凍結される

例えば親が認知症になると、親の銀行口座や証券口座が凍結されて引き出しや取引ができなくなります。その結果、親のお金を期待して介護費用に使いたくとも簡単にはできなくなります。

家族信託とは

保有資産を託す方法としては、後見人制度や信託銀行を活用する方法がありますが、最近では、家族に自分の財産を管理してもらう家族信託が注目されています。

一般には、営利目的を伴わないで特定の方の信託を行うことを民事信託といいますが、家族が行うことを特に「家族信託」といいます(「家族信託」とは、一般社団法人家族信託普及協会の商標登録)。

この制度を活用することにより、親(又は自分)が認知症になった場合、家族の誰かに財産を安全に管理してもらえるようになります。

楽天証券の信託口口座サービス

楽天証券が2020年4月27日に「楽天証券、IFAを通じた『家族信託サービス』を開始」 をプレスリリースしました。このようなサービスはまだ証券会社では数少ないので、概要を紹介します。

主なポイントは次のとおりです。

  • 委託者(財産を託す人:例えば認知症になる可能性のある方)が保有する有価証券(株式、債券、投資信託)を楽天の証券口座に受け入れることができます。
  • 受託者(財産を託された人:家族の誰か)の判断で、上記口座の財産を管理・運営・処分できます。ただし、その場合は、IFAサービスを利用しなければなりません。
  • 信託契約書は、公証人が作成する契約書であることが必要です。
  • 手数料は無料ですが、取引は IFAサービスを介しますので、取引に係る手数料等が発生します。

 Trust image

ここでIFAとは、独立系ファイナンシャルアドバイザー(Independent Financial Advisor)のことで、顧客のために中立的な立場で金融商品等をアドバイスしてくれる方です。IFAになるには、内閣総理大臣の登録を受ける必要があります。

下記に楽天証券のIFA関係のサイトがありますので興味があればご覧ください。

→楽天証券 IFA支援サービスをみる

留意点

楽天証券の家族信託サービスは、大変良いサービスだと思いますが、留意点もあります。 

移管できるのは同じ運用会社のものだけ

楽天証券の証券口座に他社の証券口座等にあった証券類を移さなければなりません。

株式の場合は問題無いと思いますが、投資信託の場合は、証券会社により扱っている種類・運用会社が異なりますので、同じ運用会社のものだけが移せる対象です。

公証人が家族信託契約書を作成

家族信託の契約書は、公証人が作成し、公正証書化することが必要です。このため、少し費用が発生します。

公証人の手数料は法律で決まっており、例えば3千万円超~5千万円以下で29,000円、5千万円超~1億円以下で43,000円です。

公証人の概要については、次の記事をご覧ください。

smartage-info.com

取引手数料は店頭取引なみ

家族信託自体の手数料は無料です。

ただし、株式等を売却する際に取引手数料等が発生します。楽天証券の取引手数料は一般的に安いのですが、IFAサービスを介する取引手数料は大手証券の店頭取引なみです。

例えば、100万円の株式手数料は、楽天証券のネット取引では535円(税込)ですが、楽天証券の家族信託サービスのIFAサービスを介すると11,000円(税込)となります。

さいごに

もしも認知症等が発症した場合は、口座が凍結され金融機関から法定後見人を選ぶよう言われるようです。法定後見人は、家裁が選定しますが、多くが赤の他人の弁護士さんなどで、一旦決められると法定後見人との契約を勝手に解約できませんので一生費用が発生します。

このため、事前に万一のことを考えておかなければなりません。

自分自身の事を考えると認知症になる事自体が恐怖ですが、家族が困らないようにその後の対策も考えたいと思います。